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和食器の足まわり

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糸底・糸尻・畳付・・・・・

陶芸に興味ある方以外はご存じない方も多いと思いますが。それぞれ(いとぞこ)(いとじり)(たたみつき)などと読まれています。

これ実はみんなほぼ同じ意味で、簡単に言うと「テーブルとの接触面」なんです。

糸底や糸尻の糸はロクロで形成した器を台から外す際に、糸で横から切るように切り離すから。

畳付は読んで字のごとく畳に付いている所という意味です。

和食器の足は高台(こうだい)

それではその上の、器の足の部分はなんと呼んでいるか? ご存じの方も多いと思います。

器の足の部分は高台(こうだい)と呼んでいます。間違ってもタカダイなどと読んではいけません(笑)

ごけ高台

エ?

高台がない器がある?

見つけたアナタはエライ!!

例えばこんなマグカップ

などは横から見るとはっきりと高台がわかりますが・・・

こんなカップ

となると、どこが高台なんだかわかりません。

このようは高台を碁笥高台と呼びます。

碁笥? ゴケ と呼びます。

最近コンピューターと人間との対戦で話題になっていました囲碁(いご)。

の囲碁の白黒の石を入れる器、そう あの丸い達磨のような器の事です。

あのゴケは高台が見えないデザインです。

碁笥(ごけ)高台となるわけです。

この碁笥高台、湯飲みなどの片手で胴体全体を持つ食器ではやや持ちにくく感じる場合がありますが、すっきりしたスマートなデザインになるんですね
だから持ち手ハンドルのあるマグカップや、両手で持つ丼などに多用される事が多いようです。

和食器の足いろいろ

実は平たくなかったりする足

皆様が思い出す高台というと、丸い平たいものだと思います。

ところがところが・・・
先ほどご紹介した碁笥(ごけ)高台以外にも実は違うものがあるのです。

この小鉢、一見丸い高台に見えていますが、実は糸底(テーブルとの接地面)に3つの膨らんだ部分があって

その3つの滑らかな突起で器を支えているのです。 3つで支えるとガタツキが少なくなるからです。

お写真で「ハハ~ン」とわかったあなたに拍手です。

同じ三つ足でもこのようなはっきりした三つ足もあるんです。 萩焼きなどにも多いです。

 

足なしは逆に難しい

かと思うと、「足なし」で 完全に面で接地しているものもあります。

例えばこんな取り皿

これは、逆に大変面倒で難しい事で、なぜなら板状の土の密度は当然一定ではないので焼成の際に、密度の違いで収縮率が違うのでひずみ(割れなど)が生じるわけです。 これを最小限に抑えてコントロールするテクニックが必要なのだそうで、店主も詳しくは教えていただけません。
でも、おかげでこんな薄く使いやすい土和食器の楕円皿を楽しめるわけです。

さて
皆様ご存じの萩焼き・・・

ご存じですよね、「切込み高台」などと呼ばれ、高台に鋭角の切れ込みを入れています。

その昔、藩の御用窯だったので、庶民の手に渡すべく切れ込みを入れて「傷物」として流通させた名残り説など諸説あります。
当店でもお碗などに数点切れ込みがある品があります。

 

和食器の脇こそ面白い

高台から少し上を見てみましょう

ちょっとここで想像してみましょう

1200℃くらいの高温の灼熱の窯にある器たち・・・

器の表面に施された釉薬はドロドロに溶けて、素地と反応したり流れたり・・・

その急な傾斜の外側をゆっくりと流れていく釉薬の流れは高台の前で急に緩やかになるわけです。

そこでとどまって軽い釉薬たまりができるわけです。

例えばこんな感じ 白い部分ですね

でも・・・

一番濃い釉薬だまりは内側の中心部なわけです。

これはもうしっかりとほとんどの土物和食器で見られますね。


わら灰釉リム中鉢

溜まっても絵になる内側。

しかし

外側はそうはいきません。

ある程度、止まってくれないと窯の床に付いてツララのようになって、または器から滴(しずく)のように垂れてしまいます。

そこで、作り手は試行錯誤を繰り返して釉薬の濃度や温度・時間だけではなく素地との相性など様々なデータをもとに施釉をするのです。

 

というわけで、高台のやや上の部分はどうしても釉薬による様々な模様(景色)が出やすいところなんですね。

例えばこんな↓感じ

ということは

「美しい」「変化ある」「おもしろい」 など様々な事に出会えるわけです。

高台脇に面白さあり

と・・・いうわけですね(^o^)/

【おとなの和食器屋 さんすい】通販本店では、1977年の創業から店舗販売を行ってきましたが、通販でも店舗でお客様と接するようにしたいという思いから裏の写真など様々な角度や使い方を写真でご紹介しています。

和食器について様々な角度からつれづれなるままに女将と店主がお話ししていますので、ぜひお楽しみください。

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