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好きな和食器に飽きない方法
本日のお題は「アキナイ」
エ? 商売のお話?
イエイエ(^^ゞちがいます。
商いではなく「飽きない」方法のお話しです。
突然ですが・・・
もし明日、あなたがスーパー人類になってしまって
それから一生27才のまま歳を取らなかったら・・・
いや~ん~素敵ぃ~
なんて言ってる場合じゃありません
甘酸っぱい初恋も、失恋も、燃え上がるような恋も、深い愛情も、ぜ~んぶ経験してそれでも生きなきゃならないとしたら・・・
初めて異性の手を握っても、「あ~~アレ、あの感じね」とすべて経験済み。
そしてあなたの連れ合いも娘も息子も孫もミンナ年老いて先立つわけです。
こんな面白くなくって辛い人生はないわけです。
~ちょっと閑話休題~
不老不死がシアワセかがテーマの素敵な物語
「アデライン 100年目の恋」という映画、私と女将 最近のイチオシです。この週末にぜひ。
主演のブレイク・ライヴリーさんがとても素敵で、映像も綺麗。脇をハリソンフォードなど名優がかためてます。
さて、器のお話しをしましょう。 ちょっと想像してみてください。
もし、どんなに使っても新品同様の輝きを放つまっ~~~たく変わらない壊れない器があったら
あなたは10年愛用できますか?
そうなんです。 ほとんどの方が「多分飽きると思う」とお答えになると思います。
では、どうすれば飽きないか。和食器を替えるか自分が変わるか・・・
しょっちゅう器を変える事ができる超恵まれたアナタはこの記事をお読みになる必要はないかも(笑)
一番経済的な方法、それは
1.食器周りを変えて楽しむ(コーディネート)
2.食器そのものが変わるのを愉しむ
(器の変化)
3.見せる・食べさせる
この3つですね。
エ? 1と2の「楽しむ」と「愉しむ」の違い?
いや、私も何となく使い分けていますが、「楽しむ」は自分以外の方も含めて楽しむイメージで、「愉しむ」は自分自身だけの気持ちや思いから慈しむ時間を過ごすというイメージでしょうか。←諸説あります(^^;
お話をもどしましょう
一番ポピュラーな方法は1.の「コーディネート」と「お料理」という事になります。
食器周りを変えて楽しむ
(コーディネート)
「器」という字は元々お供え物を入れる4つのお皿を表現しているといわれていますが、食器の一番の長所はオブジェなどと違ってお料理の器である事です。お料理を様々に変える事で、また器の組み合わせを変える事で10年いやいや100年以上楽しむ事ができるわけです。
逆に同じお料理だって、寒い日は器を替えて超熱々にして食卓に出してあげるだけで、ワぉ!!と感嘆してしまうわけです。
例えば身の回りのお洒落は、主役であるご本人は基本的にはかわらないのですが、器とお料理はその両方を替える事ができますのでその拡がりは無限大! 「器は料理の着物」と北大路魯山人(ろさんじん)さんがおっしゃいましたが、食卓は着物以上の変化が楽しめる世界なんですね。
例えば小鉢と名前が付いていてもフリーカップ。 大鉢は丼。 小皿や中皿はソーサーとしても使えます。
写真は胡桃の皿ノーチェミニです。 食器としてだけではなく、お人形を置いたり大好きなジュエリーを飾っているというお客様もいらっしゃいます。
どうぞ食器棚の奥にある器たちとお料理レシピを総動員して食卓を楽しんでくださいませ。
食器そのものが変わるのを愉しむ
(器の変化)
さて、2番目の「食器そのものが変わるのを愉しむ」なのですが、・
楽しむと愉しむ
「楽しむ」ではなくて「愉しむ」。
愉しむとは自分自身だけの気持ちや思いから慈しむ時間を過ごすという私なりのイメージなんですが、
こんな言葉があります。
「人間は歳を取ったら、取ったように考えるべき
若く詐称することは成熟を拒否しているも同然だ、と気づいた。」
(芸術家・横尾忠則)
和食器やガラス食器は自ら考える事はできませんが、愛用していて10年20年と変わらず新品同様の器があったら・・・
私はちょっと敬遠します。 あきらかにサイバーな美人とお会いした時も同じなんですが(^^;。
器も同様に、使っている私たちがその変化を愉しみ慈しむ気持ちが、結局のところ「幸せ」になる秘訣だと思います。
それは「連れ合い」「家族」「ペットちゃんたち」そして自分自身にも同じ事。
貫入について
よく私共が素敵だなぁと思う貫入(かんにゅう)
焼成冷却の過程で素地に対して大変薄い上釉薬がその収縮率の違いに耐えきれず「アん」と悲鳴をあげ、ひび割れて模様を創る。↑そんな声上げません「アん」は嘘です。実際はチン・ピキン・パキンッです (女将)
さんすいの「氷紋」シリーズはその貫入あってこその素晴らしい器なのですが、その窯出し直後などは、大小スゴイ音の合唱で、慣れない女将はわかっていても冷や汗をかいていまました。
氷紋シリーズは水道水にも含まれるケイ素(Si)で水止め処理をおこなっていますので色素などは入り込みづらくなっています。
さて、その貫入(かんにゅう)にお茶の色素などが入り込むとひび割れ模様が浮き立ちます。お茶の器などは鑑賞する上で重要なポイントとされているくらいです。
萩焼オリジナルマグカップ(丸型)のページ後半では、その貫入の写真を掲載しています。
これをアラ素敵! とみるか イヤんちょっと~ とみるか
英語では一般的にステインStain(ステイン:汚れ)とか stick(スティック:こびりつく) という言葉で表現するようなのですが、染み・汚点・汚れと同義語で、なんだかそぐわないですね。 英語には訳せない日本人の感性が現れた言葉ではないかと思います。さて、和食器のお話しに戻りましょう。
英語には訳しづらい貫入(かんにゅう)の魅力。 それを愉しむ心。
イヤイヤ・・・アタシは嫌い って方もいらっしゃると思います。
もちろんある程度防ぐ事も、薄くする事もできますのでご安心ください
【おとなの和食器屋 さんすい】ではご送付時にメールで種類ごとにかなり丁寧にご案内しています。
ただ、「器の自然な変化を愉しんでいく」というのは、アキナイ秘訣のひとつである事は間違いないですね。
見せる・食べさせる
さて次のポイントは「テーブルをキッチンにする」
典型的なのはお鍋です
煮る炊く蒸すなどを土鍋やキャセロールなどを使ってテーブルで楽しみながらお食事します。 私たちが無意識にやっているアキナイ方法。
お鍋の面白さ、それはお鍋の最初やシメの雑炊が出来上がる時の蓋を開ける瞬間。
これも元々はお台所でやっていた事。それをテーブルでやる事で、グンと楽しくなります。
どうせならば、お台所の「切る」という作業の一部もテーブルに持ってきてはいがでしょう。
小さなまな板を持ってきてお葱はテーブルで切り分けたりします。 ご存じの通り、気分を落ち着かせるといわれる葱の薫りが拡がります。
お子様のいらっしゃるご家庭は一緒に調理をしたりなど特におススメします。
さて「開ける」というのは劇場の幕が開くのと同じく、隠されていたものが目の前に現れる面白さがあります。
当店には蓋付きの和食器もいくつかありますが、蓋を開けるエンターティナー的和食器をぜひ一度お使いになってみてください。
アキナイテーブルに必ず一役かってくれます。
お重箱などはそのウキウキ和食器の代表選手なのかもしれません。
和食器に飽きない方法 まとめ
器がどんなに素敵でも主役はやはりお料理。
とはいえ、北大路魯山人(きたおうじろさんじん)先生は「器は料理の着物」との言葉を残されました。
たしかにどんなに綺麗な方でも、着物洋服によって随分と印象は変わります。 むしろお洋服のセンスが良いとオオッ!となってしまいます。
インスタなどのSNSのお料理を中心としたアカウントでも、器を大事にしてこだわっている方のそれはワンランク違って見えてしまうのは誰もが感じている事だと思います。
でも器って飽きちゃう・・・なんて気にしないで、コーディネートや器の変化やお料理などで沢山楽しんでいただければ幸いです。
どうぞお手元のこだわりの和食器やガラス食器を大切にいつまでも飽きないで使ってあげてください。