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素敵なアメ
昨夜のお風呂時間・・・
ふと鏡を見ると、ん~~重力がお腹をっ
息を吸ってグッと引っ込めて
(自分で胡麻化しても仕方ないのですが)
そこへ女将 お洗濯仕分けに登場。
お腹をさらに引っ込めて腕で〇印を作って
「ど~だいこの鋼(はがね)の体、惚れ直したろぅ?」
ぜ~んぜん!気持ち÷!
と笑みを浮かべながら店主のお腹をコチョコチョ。
ぎゃ~~くすぐったい
あっという間に重力負けした中年体形に逆戻り。
鉄のお話し
鉄の色
鋼(はがね)といえば・・・
鋼色というと銀から灰色の色を想像します。
では、「鉄の色」というと、どのような色を想像しますか?
鋼色派と茶褐色派がいらっしゃるかと思います。
どちらも正解!
だと私は思います。
正確には鋼(はがね)は数パーセントの炭素を含んだ鉄より硬い鉄の合金なんですが、それでも・・・
鉄と錆は男女の
鉄は酸素と繋がりたがるそうで、もうこれは思春期の男女の仲のようなもの。
お庭の土の上に鋼色の鉄片をほおっておくと数日で茶褐色になります。使われていない鉄道のレールも良い例ですね。
そうなんです、錆びてくるんです。酸素や水分と接すると見事に錆びます。 ホンニ男女の仲のようなもので
やがてボロボロになり・・・ なんだか時々人間に近かったりして(笑)
飴秞のお話し
鉄釉と飴秞
鉄は酸素とくっつくと茶褐色になる・・・
鉄分を含んだ釉薬をかけて、酸素を十分含んだ炎で焼き上げると茶褐色。
「鉄分多め」だと黒に近くなってこれが「黒釉」と呼ばれる釉薬の中のひとつとなります。
これが逆に「鉄分少な目」だと薄い茶色になってこれが「飴釉」となるわけです。
ちなみに、本物の「飴色」は麦芽で薄茶色になり、これがアメ色と言われているのですが。
焼き物の飴釉の素は主に「鉄」なんですね。
柔らかな優しい色の飴釉。 飴釉を含む「鉄釉」は奈良時代、もしくはもっと以前から焼き物の釉薬として使われていたようで、
灰釉とともに最も古い釉薬と呼ばれる事が多いです。
当店でご紹介している古瀬戸シリーズの和食器たちは、まさにその古い時代の鉄釉の器の再現をテーマにしています。
飴秞の魅力
茶色い飴秞の魅力の中でも私が何と言っても好きなのは、透き通った透明感です。
その透明性のおかげで、釉薬の厚いところは濃い色で、逆に薄いところは濃い茶になります。
海の浅いところは明るいマリンブルーで濃いところは群青色っぽいのと同じですね。
例えば器の素地に模様や文字を削るとします。その上から施釉すると、削ったところは深くなるので当然釉薬が厚くなるわけで黒い色になります。
ロクロを使ったロクロ目や縄目や櫛目などが何と色の濃淡で綺麗に見える事になります。
このように、素地の凹凸を色の濃淡でストレートに鮮明に見せてくれる。 しかも表面は滑らか。
ここに一番の魅力があるように思います。
和食器では鉢や碗などに飴秞を施すと底の釉薬だまりは濃く上に目を移すに従って釉薬の色が薄くなり、綺麗なグラデーションが楽しめます。
透明系釉薬
これは半透明な釉薬全般的に言える事でもあります。代表的な釉薬では
織部秞
御深井秞
などがあります。
このような透明系の釉薬などに対して藁(わら)灰秞や粉引きと呼ばれる白い土による化粧がけなどは、素地の凹凸を濃淡ではなかなか表現しづらい技法だと言えます。
素敵な飴秞の和食器 まとめ
飴秞の魅力は、そのノスタルジックで自然な色彩に加えて、和食器の凹凸を色の濃淡で表現する力があります。
今回お話ししました飴釉や鉄釉の和食器たち
飴釉のラインナップ(このページで飴釉と名の付く品々)
これ以外にも黒釉は鉄系のものが多いですね。
お手元の和食器たちを眺めながら、
「これ鉄なんだわ、今は釉薬で固められてるけどそれまでは酸素に惹かれて恋をしてたのね」
などとつぶやきながらお愉しみくださいませ。
店主