馬場勝文と和食器たち
勝ちゃんと浪花節考 馬場勝文という作り手
「勝ちゃん」・・・と私は敬愛の情をこめてそう呼んでいます。
馬場勝文・・・ もうかれこれ15年以上の付き合いになるでしょうか。陶歴などは、ご本人のホームページや一般のサイトにおまかせするとして・・・、
その15年近く前、まだ彼が試行錯誤の頃・・・といっても修行僧のような彼は、終わりなき試行錯誤を今日も行ってると思いますが・・・要するに彼がまだ世の中に知られていない頃、師走 営業も終了して暮れも押し迫ったころでした。 お客様から刷毛目重箱の注文をいただいたのです。普段なら丁重にお断りすることころでしたが、もしかしたらと馬場氏に電話をしました。 なんと私の勘どおり本人の元に1セットだけあったのです。もちろん人気者の今ではとても考えられない事ですが。
時はもう夕刻。 年内にお客様にお届けするには明日「さんすい」に届かないと間に合わない と彼に伝えると、そんなら今からヤマトの事業所に持っていきますと言うのです。それからです。 何としても彼の作った和食器たちを少しでも多くの皆様に知っていただこうと思ったのは。
元来、「おとなの和食器屋さんすい」は作り手にはこだわらずに、お客様だけのテーブルを創っていただくようお願いしています。 そのお手伝い・ご提案が、結果的に「さんすいを愛してくださるお客様を作る」事になるからです。
それでも私をそんな浪花節のような気持ちにさせたのは、彼のその誠実さと器創りに向かう純粋な姿勢であったと思います。もちろん、「創るセンス」がピカイチであるという事は言うまでもありません。 でも、私たちを本当にやる気にさせてくれるのはその方の誠実さや人間性だと思うんです。 そこにはビジネスを超えた心と心の繋がりがあるのではないかと思います。
車で30~40分くらいで着いてしまう距離しかない「馬場勝文工房」と「おとなの和食器屋さんすい」なのですが、お互い忙しくてなかなか会う機会ができないのが悩み。 それでもしょっちゅう電話で長話し・・・。 毎回奥様から届く温かいお手紙を読みながら、来月はバーベキューだ~と女将に言うばかりの店主なのでした。
このページを作りながらふと思った事をつぶやきました。
文責:乙木新平
馬場勝文の器
黒釉ご飯土鍋
お焦げもシッカリ作ってどこか懐かしい美味しいご飯が炊けるアートなご飯の土鍋。(販売終了しました)
黒釉貝殻紋カレー皿
お料理映えを極める「大人のカレー皿」まるで小粋なレストランでのお食事のように、食卓を一変させる和食器です。
黒釉しのぎ大皿
絶妙なリムの揺らぎとデザインが魅力の大皿。 お料理心に火をつけてくれる、末永くお使いいただきたい和食器ですね。
黒釉刷毛目長角皿
料理をのせた長角皿、まるで名画とであったような至福の時を与えてくれる和食器。馬場勝文氏らしいお品の一つです。
黒釉楕円グラタン皿鉢
手仕事の優しさを感じるグラタン皿鉢 耐熱耐火の和食器で、楽しさ無限に広がります。馬場勝文氏の特徴であるフンワリとした釉薬のやさしさが素敵なお品です。(販売終了しました)
黒釉しのぎ小皿
やさしいナチュラルな模様が魅力の小皿 和洋どちらのテーブルでもマルチに大活躍する和食器となるでしょう。
黒釉貝殻紋中鉢
中鉢の中の小宇宙で踊るお料理の数々。 珠玉のような和食器の登場です。
女将の一品:夏「胡瓜の浅漬け」
黒釉らせんリム浅小鉢
抜群のセンスで小鉢に描かれたらせん状のリム おとなのあなたに捧げる和食器です。
女将の一品:夏「甘酢漬けトマト」
黒釉ミルクパン
電子レンジ・直火で使える耐熱耐火のミルクパン 朝・昼・晩そして深夜・・・温かさをお届けする和食器です。
持ち手がセラミックの一体型ですので、長く安心してお使いいただく事ができます。
黒釉けずり箸置
小さな羽根を広げたような何とも可愛いらしい箸置き。 他の和食器との相性も良くて、当店のページにもたびたび登場するスグレものでもあります。
黒釉刷毛目重箱二段
シックな柔らかと立体感を見事に両立させた刷毛目模様のアートなお重箱
あとがき
【おとなの和食器屋 さんすい】も無名の時代があったわけで、ところが今考えてみるとその時代の方が若さもあってイキイキと仕事をしていたような気がします。 それは「誰にも負けたくない」などという次元の低いのものではなく「私が創るもの・見つけた物・良いと思うものをお客様から認めていただきたい」という純粋な自己実現欲求でした。だから毎日仕事を楽しくイキイキとできたのです。
人間はともすると比較ばかりしたがります。 切磋琢磨して向上する事を否定はしませんが、過ぎたるは猶及ばざるが如し。 いずれ疲弊してしまいます。 私も一番幸せであった頃を思い出すと、比較するのではなく前述の自己実現をめざしていた時であったような気がします。
勝ちゃん(馬場勝文氏)はその「イキイキ」をずっと持ち続けているような気がします。これからも奥様と二人三脚で、クリエイティブな創作活動をしていただければと心から願っています。