大人の和食器屋さんすい
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天ぷら 気吹寄 (いぶき/山口県下関市)

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私たちが選んだ和食器たちが活躍する、天ぷらの隠れた名店「気吹寄(いぶき)」のご紹介

下関に天ぷらの名店あり

本州と九州の狭間である関門海峡を望み、古くから交通の要衝として栄えてきた下関港。その海辺にひっそりとたたずむ名店がある。その名を「気吹寄(いぶき」。
何の気取りもない入り口を抜けると、スタッフの明るい声、そして天ぷらと、あの割烹独特の香りが鼻と胃をくすぐる・・・。正面の生け簀には「なんだよ」とでも言いたげな鮮魚、海老、あわび、サザエなどが遊ぶ。昼は1500円くらいのコースからあるらしいが、2000円の気吹寄と名づけられた簡単なコースと地ビールなどお願いする。席はカウンターにする。

こだわりに舌鼓

大変失礼なお話なのだが、私は天ぷらは、その調理もさる事ながら、本当に差がつくのは材料と油じゃないかと勝手に思っている。粉で丁寧に化粧された海老が油の中で気持ちよく音をたてて揚げられると、大将(ここでは客もスタッフも、オーナーをそう呼ぶ)がひとつずつ目の前の皿に披露してくれる。「車海老です・・・」。そういえば生け簀に収まっていたあの海老だ。そう思ってありがたく口に運ぶ。衣は薄く、歯ごたえプリッとしていて味のある海老・・・。それに何といっても油つまり衣が軽い。
大将に聞くと使っているのは胡麻油、それも最上級のものだけを取り寄せているという。どうりで後に残らないサラりとした味というか風味である。通常の業務用の天ぷら油の1.5倍くらいの値段はしますよ、なんてボソッと言われ、また感心する。

下関に知る人ぞ知る天ぷらの名店があります。飾らない大将のこだわりの味は素晴らしいの一言。

味よし器よし飾らない雰囲気よし

ふとお料理の皿を見ると、見事な織部である。コースの飯碗も、瀬戸口さんのお茶碗を使っているこだわり。ふと目を生け簀の奥にやると、なるほどこだわった和食器がずらりと並ぶ。決して「おとなの和食器屋さんすい」のものばかりではない。食材同様にここでも厳しい選別がおこなわれたのだろう事は容易に想像できる。この日は北海道のかぼちゃも美味しいかった。
近くには水族館や開発されたベイサイドの観光施設があるのだが、そんな雑踏からバス亭ひとつ分だけ逃れれば、これほどの新鮮で美味いものが落ち着いて食べられると思うだけで嬉しい。ちなみに観光施設のレストランで出されている定食を喧騒の中で食すより、同じ料金で気吹寄のランチをおとなの雰囲気でいただく方がずっとお得・・・というかココロとカラダに優しいのである。
少人数ならカウンターの【ご予約】をお薦めする。大将のこだわりや下関の裏話しなども美味しい酒の肴なのだから。