弥七田織部リム浅大鉢
やひちだおりべ りむ あさ おおばち







お料理を優しく抱き上げ包み込むようなモダンなデザインの大鉢 お料理を引き立てるゴツとしたテイストと軽やかに描かれた茶色のナチュラルカラーの絵も魅力の和食器です。
江戸時代中期から後期にかけて盛んに作られた弥七田織部(やひちだおりべ)の絵がらを使ったモダンなデザインの大鉢を現代アートの和食器としてよみがえらせました。
古くは茶器に多く用いられたという弥七田織部ですが、その比較的シンプルなデザインは主役の邪魔をしない。お料理の器の柄としても、現在の和食器にもよく使われています。
太めのリム(縁)でお料理を抱き込むようなデザインで食卓を楽しく演出してくれる事でしょう。


絵柄やテイストの魅力
引き算の美
古くからの絵柄である弥七田織部は他の織部秞使いのデザインと比較しても、明らかにシンプルで余白つまり引き算が効果的な絵姿です。この絵柄をお料理周りだけに配置する事で、ご覧のようにお料理と溶け込むような雰囲気を醸し出すのです。どこか懐かしく、けれど古びない。そんな不思議な存在感がこの大鉢にはあります。


遊び心と生真面目
大鉢を裏から見てみましょう。
主役のお料理を盛り付けてテーブルに置かれれば普通は見る事はない裏側。 そんな場所にもご覧のような飄々とした挿絵が描かれています。作り手の遊び心が嬉しい限りです。 そして三本の低い脚も見えます。
三本の脚の裏までツルツルの施釉されているという事は、この脚は窯に接地していないわけです。 代わりに器を支えていたのが道具土という小さな塊。 窯から出た後はポンと外されます。その痕が器に3つ、釉薬がかかっていない3つの小豆くらいの大きさの大きさです。


土の温かみを感じるテイスト
表面はツルツルと比較的滑らかですが、ご覧のような凹凸感があり、見た目にゴツとした存在感とホッと温もりを感じることができる大鉢です。


形デザインの魅力
目で感じる重量感
見た目はどっしりとした重量感のあるリム(縁)ですが、実は厚みなく作られています。とても手で持ちやすいデザインであるだけでなく、思ったより、軽く持ち運びに便利な大鉢です。目に見える重量感と、持った時の軽快感が素敵な素晴らしい和食器です。


脚で作る浮遊感
ダイニングの椅子に座って斜め横からこの大鉢を見ると、テーブルから数ミリ浮いていることに気づきます。 もちろんこれは3つの脚によるものですが、これが不思議な浮遊感を醸し出しています。
さらには、この足の裏まで釉薬が施されていてツルツル滑らか。テーブルにも優しい和食器なんです。 ではどのようにして窯の中に置かれていたのでしょう?


料理を美しく見せるコツと和食器コーディネート
クリームシチューや煮込み料理に
余白を活かして具材を放射状に盛り付ければ、まるでレストランのような華やかさに。深さがあるため、汁気のある料理にも安心してお使いいただけます。ハンバーグは女将の老母手作りの「ばあばハンバーグ」添加物無しですのでご覧の見た目ですが、味はピカイチ。我が家から巣立った子供達を大きくしてくれた母の味です。
料理が映える器、器が引き立てる料理
衣のサクッとしたコロッケ、色鮮やかなブロッコリーやトマト、シャキっとしたサラダの瑞々しさ。“旬の色”を盛り付けるのは得意な器で、絵柄を縁にとどめて料理の輪郭を曖昧にせず、それでいてやさしく包み込むような雰囲気を生み出します。土ものならではの温もりと、滑らかな釉薬のコントラストが、素朴なお惣菜にも上質な印象を添えてくれますね。
弥七田織部リム浅大鉢の大きさなど
横から見るとややリムが下がった特徴的なデザインの大鉢です。 リムを除く内側の口径は約19㎝で深さは約4㎝で容量が約700㏄です。ご家庭で作るシチューやスープ・ピラフ・パスタなど、様々なお料理に使える使い勝手の良い大型和食器ですね。御覧のように重なりは秀逸で7~8個程度までなら安定して重ね収納できます。 絵柄はもちろんひとつひとつの手描きですのですべて少しずつ個性があります。3つの低い脚がついていますのでガタつく事がなく足裏まで釉薬がかかっていますので、テーブルにも比較的優しく接してくれます。





贈り物や自分へのご褒美に
暮らしに、温もりと品を添える一枚を大切な人の笑顔を思い浮かべながら選ぶ贈り物に、この「弥七田織部リム浅大鉢」は、日々の食卓を静かに彩る、まさに“心に届く器”です。
和食はもちろん、洋食や中華などどんなお料理とも相性がよく、盛り付けるだけで食卓が整い、豊かなひとときが生まれます。和食器にこだわる方、器好きな方への贈り物としてもきっと喜ばれることでしょう。
特に「丁寧な暮らし」や「季節の移ろい」を感じられる器として高い評価をいただいています。ご結婚祝いや引っ越し祝い、ご両親へのプレゼントにもお薦めします。


織部焼(おりべやき)って?
織部(おりべ)と聞くと「緑の器でしょ」なんて答える事が多いと思います。 このコラムではティータイムの時にお友達にもちょっと自慢できそうな「織部」についてのお話しを。
古田織部
織部焼は、今から400年以上前の日本で生まれた、ちょっとユニークでおしゃれな和食器です。
名前の由来は、戦国時代の武将であり茶人(お茶の先生)でもあった「古田織部(ふるたおりべ)」という人なんです。
織部好み
それまでの焼き物は、形や模様がわりと決まっていましたが、織部焼は違いました。
器の形がゆがんでいたり、緑色の釉薬(ゆうやく・ガラスのようなうわぐすり)を大胆に使ったり、自由な模様が描かれていたりと、とても個性的なんです。千利休(お茶の大先生とでも申しておきます)の弟子でもあった古田織部は、そんな個性的な和食器たちを好んだ事からこのような器は「織部好み」と呼ばれるようになりました。
実際に、当時の博多(現在の福岡)の商人である神谷宗湛の茶会の日記には「へうけもの(ひょうげもの)=ひょうきんな茶碗(=おもしろい形の茶碗)」と紹介されていて、それが織部焼のことだと考えられています。
織部焼の種類
織部焼にはいくつか種類があり、たとえば「青織部(あおおりべ)」や「赤織部(あかおりべ)」、「鳴海織部(なるみおりべ)」など、それぞれに使われている色や模様がちがいます。
織部焼の歴史
盛んに作られたのは主に江戸時代の初めごろですが、そのデザインには、もう少し前の「安土桃山時代(あづちももやまじだい)」の文化の影響がたくさん見られます。
ただし、古田織部が亡くなった後、織部焼はあまり作られなくなり、本来はおよそ20年ほどの短い間に作られた貴重な焼き物なんです。
緑に発色する「銅」系の釉薬の器が多かった事から、現在ではこの釉薬の種類として「織部釉」そして器たちを織部の器などと呼ぶことが多くなっています。 現在では全国の多くの作り手が通称「織部焼」の器を制作しています。
まとめ
本来の織部は
武将で茶人の古田織部から由来
緑の釉薬や緑の器というわけではなく、大胆なデザインを古田織部が好んだものを「織部好み」と呼んだ事に由来
緑だけでなく赤や茶色など多岐にわたる色の織部が焼かれた
●店主の他のコラム → 織部と織部好み
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