赤絵草紋長楕円中鉢

形・テイストの魅力

美しい楕円形

テーブルに座った時に見える横長の「舟形スタイル」はご覧の通りスマートでテーブルで美しく映えます。細目の和食器は容量はやや少なめになりますが、それでも300～400㏄の容量を確保していますので、軽めのサラダやパスタなどにもぜひお試しいただきたい和食器です。

土としての魅力

先にご説明しましたようにとても滑らかな手ざわりなのに緩やかなゴツとした立体感があります。加えてエッジ付近に見えるほのかな山吹色の窯変や、素地の鉄分が不規則に噴き出ての小さな点である鉄紋など、土物和食器ならではの素朴で自然な魅力いっぱいの楕円中鉢なのです。

美しいラインと高台

横からご覧いただくとテーブルから左右にまるで美術館の刀を見るようなラインで広がっているデザインです。　この美しいラインは小さく高さあるの高台（こうだい）のなせるわざです。　重心も下の部分にしっかりとあるので見た目より安定性があります。　美しいラインと安定性を実現している高台のデザインといえます。

赤絵の魅力

すべてはお料理の為の絵

走りよい筆で描かれた赤の草紋に青や緑の点紋たちが、素朴な中にもどこかしら華やかさを演出しながらお料理の邪魔をせず、取り囲むように描かれています。　この楕円中鉢だけを見た時とお料理やデザートが盛り付けられた時のギャップはこの器が主役の邪魔をしないお料理やデザートの為の和食器である事の証拠なのかもしれません。

心配りの絵

このようにお料理サポート力満点の絵なのですが、さらによくご覧いただくと内側の前後左右に4つの草紋の他に普段は見えない外側2か所にも草紋が描かれています。　全部で6か所、それも対称に配置された二つずつ3種類の大きさも違う絵柄。　絵柄を変えて見えないところにも「羽織裏の美学」とばかりに描かれ、主役の座には手を付けない潔さと心配りの絵付けをされた器でもあります。

目跡について

1200度以上の高温で本焼成される和食器たち。　器は360度施釉されても窯の中でも重力はありますので耐火板の接地面だけは無釉もしくは滑らかな状態ではいられません。　この楕円中鉢は4つの粘土の塊を高台の下に付けて本体を浮かせて窯に入ります。　窯が出ますと、灼熱の窯で鉢を支えていた粘土は取り除かれ跡だけが残ります。　丁寧に削り仕上げた後に見えるのが目跡（めあと）とよばれるものです。

この楕円中鉢の和食器コーディネート

「小さな幸せ」の酒席など

お目当てのお洋服が見事ピッタリ素敵、お正月やお節句だけではなく、日常でも少し良い事があった時に赤絵の和食器を使った「大人はなやか」な潤いあるテーブルはいかがでしょう。赤絵（色絵）という共通点・土物和食器という共通点で取り合わせてみました。

赤絵乳白磁草紋カップソーサー　　 黒飴釉小皿

刷毛本漆塗り箸　　　　 赤絵角箸置き五種揃

和食器でフルーツ三昧

赤絵と織部の相性が良い事はご存じの通りなのですが、ゴツとした質感が何より仲良しの証拠で、素朴なイメージもありますので木目のはっきりした木製のカトラリーなどとも違和感なく溶け込んでくれます。　和食器コーディネートの器選びに迷った時は「何か共通点（テーマ）を探して組み合わせる」のがコツのひとつですね。 このテーブルは「織部たわみリム浅小鉢」のページでもご紹介しています。

赤絵朱巻小湯のみ　　　　織部たわみリム浅小鉢

胡桃の箸置 ノーチェ　  　 竹製デザートフォーク